犬が飼い主の手をなめる理由は？ずっと続く時の対処法

「うちの犬、なんでこんなに私の手をなめるんだろう…」「もうずっとペロペロされて、可愛らしいけど、ちょっと過剰じゃないかしら？」そう思っている飼い主さんはきっと多いはずです。

大切な愛犬が一生懸命あなたの手をなめる姿は、とても愛おしいですよね。でも、その行動が「ずっと」続くと、「何か意味があるの？」「止めさせた方がいいの？」と不安になってしまうのも無理はありません。

大丈夫です。あなたのその悩み、この記事が解決のお手伝いをします。愛犬が手をなめる理由を正しく理解して、心から納得できる対処法を見つけていきましょう。

愛犬が飼い主の手をずっとなめる！その行動に隠された本当の理由

愛情表現と服従のしるし

愛犬があなたの手をなめる行動は、まず第一に愛情や服従の気持ちを表していると考えられます。これは犬が子犬だった頃の名残りの行動なのです。

子犬は母犬の口元をなめて食べ物をねだったり、自分の愛情を伝えたりしていました。その名残りで、飼い主さんを「群れのリーダー」として認識し、「大好き」「あなたの言うことを聞きます」という気持ちを伝えるために手をなめるのです。

特に、飼い主さんが撫でてくれたり、優しく話しかけてくれたりした後にペロペロとなめるのは、「ありがとう」や「もっと構って」といったポジティブなコミュニケーションであることがほとんどです。

飼い主さんの肌の塩気や匂いが好きでなめているという説もありますが、多くの場合、この行動は愛犬からの純粋な愛情表現だと受け取ってあげてくださいね。ただし、ずっとなめ続ける場合は、次の見出しで解説するように、他の理由も潜んでいる可能性があります。

ストレスや不安、病気の可能性も考える

愛犬があなたの手をずっと執拗になめ続ける場合、それは単なる愛情表現ではなく、ストレスや不安が原因になっている可能性があります。

犬は不安を感じたとき、自分自身や飼い主さんの身体をなめることで、気持ちを落ち着かせようとすることがあります。これは「転位行動」の一つなのです。

特に留守番が長い犬や、環境の変化があった犬は、分離不安から過剰になめる行動を示すことがあります。

また、まれではありますが、手のなめる部分に皮膚炎やアレルギーなどの問題があったり、内臓疾患による不調をなめる行動で示唆していることもあります。

もし、なめる行動と同時に、震えたり、落ち着きがなかったり、食欲が落ちたりといった他の異常が見られる場合は、病気のサインである可能性も視野に入れ、注意深く観察する必要があります。ずっとなめ続ける場合は、愛犬の心と体の健康状態を改めてチェックしてあげてください。

退屈や遊びを求めているサイン

愛犬が飼い主の手をなめる行動は、退屈しのぎや「遊んでほしい」という要求のサインであることも非常に多いです。

エネルギーが十分に発散できていない犬や、知的な刺激が足りていない犬は、その有り余るエネルギーを「なめる」という行動に転換してしまうことがあります。

特に、散歩の時間が短い、おもちゃで遊んでもらう時間が少ないなど、飼い主さんとの関わりや運動量が不足していると感じている犬は、飼い主さんの注意を引こうとして手をなめ続けます。

なめることで飼い主さんが反応してくれる（たとえそれが「やめなさい」という注意であっても）と、犬は「この行動をすれば構ってもらえる」と学習してしまうのです。

愛犬があなたの手をペロペロし始めたら、それは「ねぇ、退屈だよ！」「何か楽しいことをしようよ！」という彼らなりメッセージかもしれません。愛犬の生活環境を見直し、遊びや運動の時間を増やしてあげることが大切です。

愛犬が飼い主の手をずっと過剰になめるときの対処法]

なめる行動の回数を記録し原因を突き止める

愛犬が手をなめる行動がずっと続いていると感じたら、まずはその行動の回数や、どんな時に行動が起こるのかを記録してみましょう。これが原因を突き止めるための第一歩となります。

例えば、「朝の散歩後」「飼い主がテレビを見ている時」「留守番から帰ってきた直後」など、具体的な状況を記録してみてください。

そうすることで、「ストレスによるものなのか」「退屈しているのか」「単なる愛情表現なのか」というパターンが見えてきます。

もし「飼い主さんがリビングから離れようとした時」など、特定の状況でなめる行動が増える場合は、分離不安の可能性が高まります。一方、特に何もしていない時にずっとなめ続けている場合は、退屈や皮膚の違和感など、他の原因を探る必要があります。

この記録は、後で獣医師やドッグトレーナーに相談する際にも、非常に役立つ貴重な情報になりますよ。

適切な環境改善としつけで不安を取り除く

愛犬が不安や退屈から過剰になめる行動を示しているとわかったら、環境改善としつけで解決を目指しましょう。

まず、環境面では、知的好奇心を満たす「コング」や「知育トイ」を活用して、愛犬が一人で夢中になれる時間を作ってあげてください。また、一日の運動量を増やし、心身のエネルギーを発散させることも重要です。

しつけの面では、なめる行動に対して過剰に反応しないことが大切です。愛犬が手をなめ始めたら、叱るのではなく、静かに立ち上がってその場を離れるなど、「なめても構ってもらえない」という状況を作り出しましょう。

そして、なめるのをやめた瞬間に褒めておやつをあげるなど、望ましい行動を強化します。この「無視と強化」のテクニックを徹底することで、愛犬は徐々になめる行動を減らしていきます。一貫性を持って接してあげてくださいね。

犬 おもちゃ ロープ 10個セット ボール ロープ　フリスビー 頑丈 壊れない 犬の玩具 丈夫 耐久 歯磨き 知育玩具 噛む 水洗いOK ペットおもちゃ ペットトイ 猫 玩具 小型犬 中型犬 大型犬 送料無料犬のおもちゃ10個セット 価格：2,280円（税込、送料無料) (2025/12/5時点) 楽天で購入

獣医師への相談も視野に入れる

愛犬が飼い主の手をずっとなめ続ける行動が、愛情表現や退屈によるものだけでは説明がつかない場合、あるいは環境改善やしつけを試しても改善が見られない場合は、迷わず獣医師への相談を視野に入れてください。

特に、皮膚の赤みや腫れが見られる場合、または過剰ななめる行動によって皮膚に炎症を起こしてしまっている場合は、皮膚疾患の治療が必要です。

また、分離不安など重度の行動問題が疑われる場合は、獣医行動学の専門医や、連携しているドッグトレーナーの力を借りることも大切です。

病気が隠れていないか確認するためにも、一度プロの視点から愛犬の状態をチェックしてもらうことは、飼い主さんの安心にも繋がります。「犬が飼い主の手をなめる」という行動の背後にある、目に見えない原因を特定するために、専門家の知恵を借りて愛犬をサポートしてあげましょう。

参考：《獣医師コラム》犬の体と行動学～犬の舌と「舐める」という行動について～

総括:愛犬が飼い主の手をずっとなめる行動を理解し絆を深める

以下に、この記事で解説した重要なポイントをまとめました。

愛犬があなたの手をなめるのは、あなたに何かを伝えたいからです。この記事が、愛犬の気持ちを理解し、より幸せな共生へと繋がる一歩となることを願っています。