白いパグ。そう聞いて、ピンとくる人はまだ少ないかもしれません。SNSでたまたま流れてきた真っ白な毛並みのパグ画像に、思わず二度見した経験がある人もいるはずです。パグと言えば、明るいベージュのフォーンか、つやのあるブラック。多くの人が思い浮かべるのは、この二色のはず。ところが、それ以外にも珍しい毛色があって、中でも一番目を引くのが白パグなんです。
この記事で扱うのは大きく三つ。白パグは本当に実在するのか。健康面で心配な点はないのか。そして、迎えるとしたら値段や注意点はどうなるのか。順番に見ていきます。
この記事でわかること
- 白パグは本当に存在するのか、JKC公認カラーとの違い
- 白パグとアルビノがどう違うのか
- 白パグの健康面で気をつけたいポイントと誤解されがちな点
- 白パグの値段相場と、迎える前に確認しておきたいこと
パグの白は本当に存在する?基本情報と毛色における位置づけ

まずはパグという犬種のおさらいから。白い毛色がどこに位置づけられるのか、JKCの公認カラーと照らし合わせながら整理していきます。ここを押さえておくと、このあとの話がぐっと飲み込みやすくなります。
パグの基本データとJKC公認の4毛色
パグの原産は中国。歴史は2000年以上前までさかのぼる、なかなか由緒正しい愛玩犬です。体高25〜33cmほど、体重6〜8kg前後の小型犬に分類されますが、体つきはがっしりしていて、抱っこすると見た目より重い。そう感じた飼い主さんもいるはずです。
人気も安定していて、JKC(ジャパンケネルクラブ)の犬種別登録頭数では、ここ数年11〜14位あたりをキープする常連。街中で見かけた覚えがある人も、きっと多いはず。
そんなパグの毛色として、JKCが公式に認めているのは次の4色です。
- フォーン:街で見かけるパグのほとんどを占める定番カラー
- ブラック:フォーンに次いで人気
- シルバー:国内での流通は少なく、見かける機会は限られる
- アプリコット:シルバー同様、国内では珍しい
定番中の定番はやっぱりフォーン。街で見かけるパグの、ほとんどがこの色です。シルバーとアプリコットまでいくと、出会える機会はぐっと減ります。
白パグはJKC非公認のレアカラー
実は、この4色以外にも白い毛色のパグがいます。世に言う白パグです。ただしJKCの犬種標準では公認されていないカラーなので、扱いとしては傍流。本流ではありません。
流通量はというと、驚くほど少ない。ブリーダー向けサイトの毛色別データを見ても、シルバーやアプリコットどころか、白パグは名前すら挙がってきません。過去に沖縄で白パグを繁殖していたというブリーダー情報も見つかりましたが、今も続いているかは分からずじまいでした。
海外、特にアメリカでは人気が高まっているという声もあります。SNSを通じて、日本でもじわじわ注目され始めている段階といったところ。JKC非公認カラーが話題になるのは、パグに限った話じゃありません。ダックスフンドも同じです。気になる人はダックスの毛色一覧記事もあわせてどうぞ。
出典:ブリーダーナビ「パグの毛色は何種類?非常に珍しい白パグについても!」
白パグとアルビノの違い
白い被毛と聞くと、真っ先にアルビノを思い浮かべる人は多いはず。でも、白パグの大半はアルビノとは違うしくみで生まれています。両者の違いを整理すると、こうなります。
| 項目 | 白パグ(多くのケース) | アルビノ |
|---|---|---|
| 被毛が白い理由 | 色素が薄いだけ | メラニン色素がほぼ作られない |
| 目の色 | 通常通り(黒っぽい)であることが多い | 血管が透けてピンクや赤みがかる |
| 鼻の色 | 通常通りであることが多い | ピンクがかることが多い |
| 健康への影響 | 色素そのものが原因の問題は少ない | 視覚の弱さなど別の問題を伴うことがある |
見た目こそ似ていますが、体の仕組みは別物。ただ海外の情報に目を向けると、白く見える個体の中に本物のアルビノが紛れていたり、被毛を薄くする目的で近親交配を重ねた子、他犬種との交雑で白っぽくなった子が混じっている可能性も指摘されています。白パグとひとくくりにしても、中身は一様じゃない。そこは知っておいて損はありません。
出典:petan「パグの毛色は何種類あるの?白いパグって存在する?」
SNSで見かける白パグ画像の真偽と海外の人気
最近はInstagramやTikTokで、真っ白な毛並みのパグを見かける機会が増えました。コメント欄を覗くと、「本物?」「合成じゃないの?」という驚きの声がずらり並んでいます。
ただ、SNS上の白パグ画像が全部本物とは限りません。光の当て方や画像加工で実際より白く見えているケースもあれば、別犬種やミックス犬が「白パグ」として紹介されている投稿も混じっているようです。写真だけで真偽を見極めるのは、けっこう骨が折れます。
海外に目を向けると、事情が少し違ってきます。アメリカをはじめとした国々では、白パグは以前から一定の人気があるカラーで、専門のブリーダーサイトや飼育者向けの解説記事も数多く存在します。日本では「珍しい」「見たことがない」という反応が多い一方、海外ではすでに認知度が定着している。このギャップ、なかなか面白いところです。
国内での流通が少ない分、情報も限られています。だからこそ気になって検索する人が増えているのかもしれません。人気の温度差そのものが、白パグという存在を少し神秘的に見せているところがあります。
パグの白は健康に問題がある?誤解されやすいポイント

白パグを迎えたいと思ったとき、真っ先に気になるのは健康面。ここからは、白い被毛そのものが体にどう関わるのか、誤解されがちなポイントも含めて一つずつほどいていきます。
白い被毛自体はメラニン異常ではない
前の章でも触れた通り、白パグの被毛が白いのは、たいていメラニン色素の異常ではなく、単に色素が薄いだけの話。国内の複数の情報でも、白い毛色そのものが病気や何らかの障害に直結するものではないと説明されています。
一つ補足しておきたいことがあります。成長とともに口まわりの黒い差し毛が薄くなったり、フォーンの色味自体が明るくなったりするパグもいる、という話です。これは加齢による自然な変化で、生まれつき白い被毛を持つ白パグとは別物。愛犬の毛色が変わってきたと感じても、それだけで白パグだと決めつける必要はありません。
とはいえ、「白いから安心」「白いから特別」と単純に片づけるのも早計です。毛色の違いは、あくまで見た目の話。パグという犬種そのものの体質や、繁殖のされ方によって、健康状態は大きく変わってきます。理由は、この先で。
出典:ブリーダーナビ「パグの毛色は何種類?非常に珍しい白パグについても!」
黒マスクが目立たず他犬種と間違われやすい理由
パグの顔まわりといえば、口をぐるっと囲む黒いマスク模様と、深く刻まれたしわ。この二つが特徴ですよね。ところが白パグは、この黒マスクがほとんど目立ちません。しわの陰影も薄れて見えるせいで、ぱっと見ではパグだと気づかれないこともしばしばです。
フレンチブルドッグやペキニーズと見間違われたり、「何のミックス犬?」と聞かれたり。飼い主さん自身が説明に困ってしまう、なんて声も見かけます。見た目の印象がガラッと変わるのは白パグならではの面白さ。でも同時に、誤解を生みやすいポイントでもあります。
パグ全般が抱える遺伝性疾患・短頭種特有のリスク
毛色の話はいったん置いて、パグという犬種そのものが抱えやすい健康リスクにも触れておきます。
まず鼻。パグは短頭種の代表格で、呼吸がしにくく、暑さにも弱い体質です。夏場の温度管理や運動量の調整は、白パグかどうかに関係なく必須になります。
目のトラブルも多い犬種です。大きく突き出た目は外傷を受けやすく、角膜潰瘍や白内障、色素性角膜症といった病気につながることがあると、ロイヤルカナンの犬種解説でも紹介されています。ドライアイになりやすいという指摘もあり、先天的な要因が絡むケースもあるようです。
皮膚や皮下にできる肥満細胞腫という腫瘍は、獣医師監修のペトコトの記事によると、パグの発症リスクが他犬種の約2倍。白パグを検討するときも、こうした「パグ全体に共通するリスク」は頭の隅に置いておくと、毛色だけに気を取られずに済みます。
出典:ロイヤルカナン「パグ」犬種紹介ページ/ペトコト「パグってどんな犬?性格・特徴・育て方・迎え方」
白さを追求した交配への賛否と海外の指摘
国内の情報の多くは「白パグの毛色自体に問題はない」というスタンス。ただ、海外の飼育者向け情報にまで目を広げると、少し違う顔が見えてきます。
海外のブリーダー解説サイトを見ると、白に近い色を安定して出すために、色の薄い個体同士を何世代も掛け合わせる、近親交配に近い繁殖が行われるケースがあると紹介されています。狭い遺伝子プールの中での繁殖は、パグ本来の遺伝性疾患のリスクを高めかねない。そういう警鐘です。
白く見える個体の中に本物のアルビノが混じっている可能性もあり、その場合は視覚の弱さや皮膚の敏感さ、腫瘍リスクの上昇といった問題を抱えやすいとする海外の指摘も見つかりました。
「白いから可愛い」「珍しいから欲しい」という気持ちは自然なものです。でも、その裏側でどんな繁殖が行われているのか。購入前に一度、立ち止まって考えてみる価値はあります。毛色そのものより、その毛色がどう作られたのかを気にしてみる。それが、白パグと上手に付き合っていく第一歩かもしれません。毛色を目的にした繁殖のリスクは、パグだけの話じゃない。茶色いハスキーの記事でも、同じ注意点が詳しく紹介されています。
白いパグの値段相場と迎える際の注意点

ここからは値段の話。白パグを迎えたいと考えたときに気になるお金の面と、後悔しないための具体的な注意点をまとめていきます。
パグ全体の価格相場とカラー別の違い
パグの値段は、毛色によってかなり幅があります。ブリーダー向けサイトの調査だと、パグ全体の平均価格はおよそ26万円台。毛色別の目安を表にまとめると、こうなります。
| 毛色 | JKC公認・非公認 | 価格相場の目安 |
|---|---|---|
| フォーン | 公認 | 15万〜55万円 |
| ブラック | 公認 | 16万〜45万円 |
| アプリコット・シルバー | 公認(国内流通は少ない) | フォーン・ブラックより高めになりやすい |
| 白(白パグ) | 非公認 | 明確な相場データなし(流通が極めて少ない) |
アプリコットやシルバーは国内での流通量自体が少なく、フォーンやブラックより高めの値段になりやすい傾向があります。希少性が、そのまま価格に跳ね返ってくる形ですね。この価格帯を頭に入れておくと、次に紹介する白パグの相場感もつかみやすくなります。
白パグが少ない理由と流通の実情
白パグについては、明確な価格相場と呼べるデータがほとんど見つかりません。先ほどの表にもある通り、ブリーダー向けサイトの毛色別ランキングにさえ、白パグの名前は出てこないくらいです。
裏を返せば、それだけ扱っているブリーダーが少ないということ。過去に特定の地域で白パグを繁殖していたという情報もありましたが、今も同じ体制で続いているかは確認できませんでした。
出会えるかどうかは、かなり運の要素も絡んできます。これが、白パグを取り巻く偽らざる実情です。白い毛色が珍しいのは、なにもパグだけではありません。白いヨークシャーテリアの記事でも、よく似た事情が紹介されています。
非公認カラーゆえの血統書・登録上の注意点
毛色そのものは、法律で規制されているわけではありません。ただJKCの犬種標準で公認されていないカラーという点は、実務面でいくつか影響してきます。
血統書の発行手続きは繁殖者や登録の仕方によって細かく違い、一概には言えないところですが、公認ドッグショーに出陳する場合、標準色から外れることで評価が不利になる可能性があります。ショーやブリーディングを本格的に考えている人は、この点だけは事前に確認しておいてください。
ペットとして迎えるだけなら、大きな支障にならないことがほとんど。気になる人は、繁殖者やJKCの窓口に、毛色による登録上の扱いを直接聞いてみてください。「非公認カラー」という言葉の意味だけ、頭の片隅に置いておく。それで十分です。
信頼できるブリーダーの見分け方
珍しい毛色ほど、悪質な業者が紛れ込みやすいのも事実です。信頼できるブリーダーを見分けるために、次のポイントを確認してみてください。
- 両親犬の健康状態や遺伝性疾患の有無を、きちんと説明してくれるか
- 質問をはぐらかしたり、資料の提示を渋ったりしていないか
- 購入前に現物を直接確認できる場を用意しているか
- 契約がオンラインだけで完結してしまう仕組みになっていないか
法律面でも、押さえておきたいルールがあります。動物愛護管理法では、犬猫等販売業者が生後56日を経過しない犬猫を、販売目的で引き渡したり展示したりすることを禁止しています。珍しいから、白いから。そんな理由だけで即決せず、繁殖環境や親犬の様子までしっかり見せてもらう。それが、後悔しないための一番の近道です。
出典:環境省「生後56日齢以下の犬猫の販売等は禁止されています」
白パグを迎える前に確認したい3つのチェックポイント
最後に、白パグを迎える前に確認しておきたいポイントを、3つに絞って紹介します。
- 両親犬の健康歴と繁殖の方法:白さを安定させるために近親交配に近い掛け合わせをしていないか、遠慮せず聞いてみる
- 子犬の目や皮膚の状態:目の色がピンクや赤みを帯びていないか、明るい場所でまぶしそうに目を細めていないかを確認する
- 血統書や登録上の扱い:JKC非公認カラーであることを理解した上で、血統書がどういう形で発行されるのか説明してもらう
答えをはぐらかす業者とは、少し距離を置いたほうがいい。目の様子に気になる点があれば、アルビノの可能性も視野に入れて、まずは獣医師に相談してみてください。どれも当たり前に思えるかもしれません。でも、珍しさに気持ちが先走ると、確認をつい後回しにしてしまうものです。焦らず、一つずつ確かめながら進めてみてください。
総括:パグの白は貴重な個性、正しい知識を持って迎えよう
白パグは、都市伝説でも合成写真でもありません。実在する、珍しい毛色のひとつです。多くの場合、被毛が白いだけでアルビノとは違うしくみ。でも、「白ければ何でも大丈夫」というわけでもありません。繁殖のされ方によって、健康リスクは大きく変わってきます。
国内での流通は非常に少なく、価格相場も定まっていないのが実情です。だからこそ迎えたいと思ったときは、目先の珍しさだけで判断せず、親犬の健康状態や繁殖環境まで、じっくり確認する。その姿勢だけは、崩さないでいてください。
この記事のまとめ
- 白パグはJKC非公認のレアカラーで、実在するが国内流通は非常に少ない
- 多くの場合アルビノとは異なり、被毛の色素が薄いだけで健康上の問題に直結しない
- 黒マスクやしわが目立たず、他犬種やミックス犬と誤認されやすい
- 白さを安定させる交配方法によっては、健康リスクが高まる可能性がある
- 迎える際は両親犬の健康歴や繁殖環境、血統書の扱いまで事前に確認する

