「愛犬がパイナップルを食べて吐いてしまった!」
その瞬間、心臓がドキッとして、 「もしかして毒性があったの?」「病院に連れて行くべき?」と不安でいっぱいになりますよね。
見慣れない食べ物を愛犬が口にした後の嘔吐は、飼い主さんにとって大きな心配事です。
でも、安心してください。 この記事では、犬がパイナップルを吐く原因から、ご自宅でできる簡単な対処法、そして病院に行くべきタイミングまで、専門家の視点を交えて分かりやすく解説します。
まずは落ち着いて、一緒に愛犬の様子を確認していきましょう。
この記事でわかること
- 犬がパイナップルを吐く主な原因と、その危険性の程度
- 自宅で愛犬の嘔吐に対処する際の具体的なステップ
- 動物病院にすぐに連れて行くべき危険な症状の判断基準
- 犬にパイナップルを与える際の正しい方法と注意点
- 愛犬の消化器の健康を守るための日頃からの心がけ
愛犬がパイナップルを食べて吐くのはなぜ?原因と危険性

- パイナップルに含まれる消化酵素の働き
- 消化不良やアレルギーの可能性
- 少量でも危険?与えすぎによる消化器への負担
少量でも危険?与えすぎによる消化器への負担
「ちょっとだけなら大丈夫だろう」と少量を与えただけでも、犬が吐いてしまうことはあります。これは愛犬の体質や、パイナップルの与え方が原因かもしれません。
パイナップル自体は、犬にとって致命的な毒性を持つ果物ではありません。しかし、問題は「量」と「芯や皮」です。
特に、犬は一度にたくさんの食べ物を急いで飲み込んでしまう傾向がありますよね。大量に食べると、消化しきれなかったパイナップルが胃の中で停滞し、胃酸と混ざり合って刺激となり嘔吐を引き起こします。
また、硬くて消化の悪いパイナップルの芯や皮の部分を食べてしまった場合は、それが物理的に喉や食道、胃を傷つけたり、詰まらせたりする危険性も高まります。
もし愛犬が吐いたものが未消化のパイナップルであれば、それは「食べすぎ」や「早食い」が原因の消化不良です。まずは、吐いたものをきれいに片付け、愛犬を静かな場所に休ませてあげてくださいね。
パイナップルに含まれる消化酵素の働き
パイナップルを食べて犬が吐いてしまう原因の一つに、パイナップル特有の「消化酵素」の働きが関係していることがあります。
「消化酵素」なんて聞くと難しく感じるかもしれませんが、これはタンパク質を分解する力を持つ成分のこと。 パイナップルには「ブロメライン」という強力な酵素が含まれています。
このブロメラインは、お肉を柔らかくする働きもある、私たち人間にとってはありがたい成分なのですが、犬にとっては消化器に刺激を与えすぎてしまうことがあるんです。
特に、普段から胃腸がデリケートなワンちゃんや、一度にたくさんの量を食べてしまった場合に、この強い酵素の刺激で胃がびっくりしてしまい、防御反応として吐き戻してしまうことがあるのですね。
もし愛犬が吐いたとしても、少量で元気いっぱいなら、酵素による刺激が原因であることが多いので、まずは落ち着いて様子を見てあげましょう。
参考記事:ペットサポートのPS保険
消化不良やアレルギーの可能性
愛犬がパイナップルを吐く背景には、「消化不良」やまれに「食物アレルギー」が隠れていることがあります。
皆さんもご存知の通り、パイナップルは水分が多く、食物繊維も豊富ですよね。
この食物繊維は腸の動きを助ける良い面もあるのですが、犬の消化器系は人間と比べて短いため、たくさんの量を一度に食べると、うまく分解しきれずに胃腸に負担をかけてしまうのです。
結果として、胃がパンパンになって消化不良を起こし、「これ以上は無理!」と体が判断して吐き戻してしまうケースがあります。
また、頻度は低いですが、パイナップルに含まれる特定のタンパク質に対して体が過剰に反応する「アレルギー」の可能性もゼロではありません。
もし嘔吐以外に、顔や体が赤くなる、体を痒がる、下痢が止まらないといった症状が見られたら、アレルギーの疑いがありますので、すぐに病院に連絡しましょう。
愛犬がパイナップルをを食べて吐く時の正しい対処法と受診の目安

- 自宅でできる応急処置:吐いた後の愛犬の観察ポイント
- すぐに動物病院へ!受診が必要な危険なサイン
- パイナップルの正しい与え方:安全な量と注意点
自宅でできる応急処置:吐いた後の愛犬の観察ポイント
愛犬がパイナップルを吐いた後、飼い主さんがまず行うべきは「冷静な観察と記録」です。これが病院での診断に役立つ大切な情報となります。
まず、愛犬が吐いた回数、吐瀉物(としゃぶつ)の色や形状(パイナップルが混ざっているか、液体だけか)を確認し、メモを取りましょう。
次に、嘔吐後、愛犬が元気かどうか、ぐったりしていないか、水を飲もうとしているか、食欲があるかをチェックしてください。
もし一度だけ吐いて、その後はケロッとしていて、普段と変わらず元気でいれば、それは単なる消化不良や胃の刺激が原因である可能性が高いです。
この場合は、半日程度は食事を与えずに胃を休ませてあげて、水だけは少量ずつ与えて脱水を防いであげましょう。愛犬の様子をよく見ながら、安静に過ごさせてあげることが最も大切です。
すぐに動物病院へ!受診が必要な危険なサイン
愛犬がパイナップルを吐いた時、すぐに動物病院に連れて行くべき「危険なサイン」を見逃さないことが命を守る上で非常に重要です。
以下のような症状が見られたら、迷わずすぐに獣医師に相談してください。
1 頻繁な嘔吐が止まらない、または何度も吐き戻そうとする 2 嘔吐物に血が混ざっている、またはコーヒーのような黒っぽいものが混ざっている 3 ぐったりして立てない、呼びかけに反応しないなどの意識障害がある 4 お腹が急に膨れて苦しそうにしている
特に、嘔吐が何時間も続く場合や、元気が全くない場合は、脱水症状や別の病気が隠れている可能性があります。
愛犬の命と健康を守るため、「ちょっとおかしいな」と感じたら、夜間でも診療時間外でも、まずは動物病院に電話で連絡を取り、指示を仰ぐようにしてください。
パイナップルの正しい与え方:安全な量と注意点
愛犬の健康を考えた上で、パイナップルを安全に与えるための正しい方法と注意点を覚えておきましょう。
まず、絶対に与えてはいけないのは「缶詰のパイナップル」です。これは砂糖がたくさん含まれており、犬の体に負担をかけます。必ず「生のパイナップル」を選んでください。
次に、与える際は硬い「皮と芯」を完全に除去し、小さく細かくカットしてあげましょう。目安としては、愛犬が丸呑みできないくらいの大きさです。
そして、最も重要なのは「量」です。パイナップルはあくまでおやつであり、主食ではありません。一日に与える量は、愛犬の一日の食事量の10パーセント以内、小型犬であれば数ミリ角のものを2、3切れ程度に留めてください。
少量から試して、愛犬にアレルギーや消化不良の症状が出ないことを確認しながら、愛犬との楽しいおやつタイムを過ごしてくださいね。
参考記事:サンキュ
総括:愛犬がパイナップルを食べて吐く時の緊急対処法

愛犬がパイナップルを食べて吐いてしまうと、本当に心配になりますよね。
しかし、適切な知識があれば、ほとんどの場合はご自宅で落ち着いて対処ができます。この記事で解説した内容をもう一度確認し、いざという時に備えましょう。
まとめると、以下の点が重要です。
- 犬がパイナップルを吐く主な原因は、強力な消化酵素(ブロメライン)による胃の刺激、または食物繊維の過剰摂取による消化不良である
- 嘔吐が一度だけで、その後愛犬が元気であれば、半日程度の絶食と水分補給で様子見をする
- ぐったりしている、嘔吐が止まらない、血が混ざっている場合は、脱水や重篤な病気の可能性があるため、すぐに動物病院を受診する
- パイナップルを与える際は、缶詰ではなく生のものを、皮と芯を取り除き、ごく少量だけ与えるようにする
- 愛犬の消化器系の健康を守るためには、日頃から新しい食べ物を与える際は少量から試し、変化がないかよく観察することが大切です。
この記事が、飼い主さんの不安を解消し、愛犬が健康に過ごすための一助となれば幸いです。
